概要
ジカウイルスは、主に世界の熱帯および亜熱帯地域で発生する蚊媒介性ウイルス感染症です。 ジカウイルスに感染したほとんどの人には症状がありませんが、軽度の発熱、発疹、筋肉痛を報告する人もいます。 その他の症状には、頭痛、赤目（結膜炎）、不快感などがあります。 ジカウイルスは、ジカまたはジカウイルス病とも呼ばれます。
妊娠中のジカウイルス感染は流産に関連しており、潜在的に致命的な先天性脳疾患である小頭症を引き起こす可能性があります。 ジカウイルスは、ギランバレー症候群などの他の神経障害を引き起こす可能性もあります。
研究者たちはジカウイルスワクチンに取り組んでいます。 今のところ最善の予防策は、蚊に刺されないようにし、蚊の生息地を減らすことです。
ジカウイルスの症状
ジカウイルスに感染した人の5人に4人は症状がありません。 症状が出た場合、通常、感染した蚊に刺されてから2〜7日後に症状が現れます。 最も一般的なジカウイルスの症状は次のとおりです。
- 軽度の発熱
- 発疹
- 関節や筋肉の痛み
その他の症状には次のものがあります。
- 頭痛
- 赤目（結膜炎）
ほとんどの人は完全に回復し、症状は約1週間で解消します。
いつ医者に診てもらう必要がありますか？
あなたや家族がジカウイルスに感染している可能性があると思われる場合、特に最近流行が続いている地域に旅行した場合は、医師の診察を受けてください。 疾病管理予防センター（CDC）は、同じ種類の蚊によって蔓延するジカウイルスまたはデング熱やチクングニアウイルスなどの同様の病気を探すための血液検査を行っています。
原因
ジカウイルスは、主に世界中で見られるネッタイシマカに感染した蚊に刺されて感染します。 このウイルスは1947年にウガンダのジカ森で最初に確認されましたが、その後、東南アジアと南アジア、太平洋諸島、南北アメリカで発生が報告されています。
蚊がジカウイルスに感染した人を刺すと、ウイルスが蚊に侵入します。 感染した蚊が他の人を刺すと、ウイルスはその人の血流に入ります。
ウイルスは妊娠中に胎児にも広がる可能性があります。
性的接触や輸血によるウイルスの拡散が報告されています。
危険因子
ジカウイルスに感染するリスクが高くなる要因は次のとおりです。
- 発生があった国に住んでいる、または旅行している。 熱帯および亜熱帯地域にいると、ジカウイルスを引き起こすウイルスにさらされるリスクが高まります。 特にリスクの高い地域には、太平洋地域のいくつかの島、中南米の多くの国、西アフリカの近くの島が含まれます。 ジカウイルスを媒介する蚊は世界中で発見されているため、発生は新しい地域に広がり続ける可能性があります。
- 無防備なセックスをしています。 ジカウイルスは、セックスを通じて他の人に広がる可能性があります。 男性のセックスパートナーまたは男性と女性のパートナーを含むカップルがジカ熱のリスクのある地域に旅行する場合、CDCはコンドームを使用するか、3か月間セックスを避けることを提案します。 女性のパートナーがジカ熱のリスクがある地域に旅行する場合、CDCは、コンドームを使用するか、少なくとも2か月間セックスを避けることを提案しています。 また、CDCは、活発なジカウイルス感染地域に旅行した、またはその地域に住んでいた妊婦またはそのパートナーのすべての性的接触の間、妊娠中の性行為またはコンドームの使用を控えることを勧めています。
合併症
妊娠中のジカウイルス感染は、流産と小頭症、潜在的に致命的な先天性脳の状態に関連しています。
ジカウイルスはまた、これらの先天性欠損症を含む先天性ジカ症候群を引き起こす可能性があります。
- 頭蓋骨が部分的に崩壊した重度の小頭症
- 脳の損傷と脳組織の減少
- 目の損傷
- 制限された動きを含む関節の問題
- 出生後の筋緊張が強すぎるため、体の動きが低下します
ジカウイルスは、ギランバレー症候群などの他の神経障害を引き起こす可能性もあります。
ジカウイルスの予防
ジカウイルスから保護するワクチンはありません。
CDCは、すべての妊婦がジカウイルスの発生がある地域への旅行を避けることを推奨しています。 ジカウイルスが発生している地域に住んでいる、または旅行したことがあるパートナーがいる場合、CDCは、妊娠中はセックスを控えるか、性的接触中はコンドームを使用することをお勧めします。
妊娠しようとしている場合は、今後の旅行計画やジカウイルスに感染するリスクについて医師に相談してください。 あなたの医者はあなたとあなたのパートナーが数ヶ月間妊娠を試みるのを待つように提案するかもしれません。
性的接触の際は、コンドームを使用して、あなたまたはあなたのパートナーがジカウイルスの発生地域に住んでいる、またはその地域に旅行したことがある場合に、ジカウイルスに感染または拡散するリスクを減らしてください。 または性的接触を避けてください。
ジカウイルスが存在することが知られている熱帯地域に住んでいる、または旅行している場合、これらのヒントは蚊に刺されるリスクを減らすのに役立つ可能性があります。
- エアコン付きまたは十分に遮蔽された住宅に滞在します。 ジカウイルスを媒介する蚊は、夜明けから夕暮れまで最も活動的ですが、夜に刺されることもあります。 特に外にいる場合は、蚊帳の下で寝ることを検討してください。
- 保護服を着用してください。 蚊が出没する場所に行くときは、長袖のシャツ、長ズボン、靴下、靴を着用してください。
-
蚊よけ剤を使用してください。 ペルメトリンは、衣類、靴、キャンプ用品、ベッドネットに使用できます。 すでにペルメトリンが入っている服も購入できます。 お肌には、少なくとも10パーセントの濃度のDEETを含む忌避剤を使用してください。
指示どおりに使用すると、環境保護庁（EPA）に登録されている防虫剤は、妊娠中および授乳中の女性にとって安全で効果的であることが証明されています。
- 蚊の生息地を減らします。 ジカウイルスを媒介する蚊は、通常、家の中やその周辺に生息し、動物の皿、植木鉢、中古の自動車用タイヤなどに溜まる可能性のある止水域で繁殖します。 繁殖生息地を減らして蚊の個体数を減らします。
輸血により感染したジカウイルス
現在、すべての献血はジカウイルスについてスクリーニングされています。 活発なジカウイルスの発生がない地域で輸血によってジカウイルスが感染するリスクをさらに減らすために、食品医薬品局は、次の場合に4週間献血しないことを推奨しています。
- ジカウイルス感染の病歴がある
- ジカウイルスの感染が活発な地域を旅行または住んでいた
- ジカウイルスのある地域から旅行してから2週間以内にジカウイルス感染を示唆する症状がある
- ジカウイルス感染と診断されたパートナーと性的接触をしたことがある
- 過去3か月間にジカウイルスの感染が活発な地域を旅行または住んでいたパートナーと性的接触をしたことがある
診断
あなたの医者はおそらくあなたの病歴と旅行歴について尋ねるでしょう。 あなたとあなたの性的パートナーが訪れた国と日付、そしてあなたが蚊と接触したかもしれないものを含めて、海外旅行を詳細に説明することを忘れないでください。
お住まいの地域で利用できるジカウイルス（または同じ種類の蚊によって広がるデング熱やチクングニアウイルスなどの同様の病気）の検査については、医師に相談してください。 医師は、ジカウイルスを診断するために血液検査または尿検査を行う場合があります。
ジカウイルス感染の症状がなく、ジカウイルスの感染が活発な地域への最近の旅行歴がある場合は、帰国後2〜12週間で検査を受けることができます。
陽性、不確定、または陰性の検査結果に続いて、医師は次のことを行うことができます。
- 超音波検査を行って、小頭症やその他の脳の異常を検出します
- ジカウイルスをスクリーニングするために、子宮に挿入された中空の針を使用して羊水のサンプルを採取することを提案します（羊水穿刺）。
ジカウイルスの治療
ジカウイルスに対する特定の抗ウイルス治療はありません。 治療は、関節の痛みや発熱を和らげるために、休息、水分、アセトアミノフェン（タイレノール）などの薬で症状を和らげることを目的としています。
ジカウイルスを予防するワクチンはありません。 しかし、いくつかのワクチンは現在臨床試験中です。
医者に診てもらう
医師との面会は簡単で、話し合うことがたくさんあるので、面会の準備をする必要があります。 準備に役立つ情報をいくつか紹介します。
あなたにできること
発生している症状を書き留めます。
- 重要な個人情報を書き留めます。 旅行の日付と国、旅行中に服用した薬など、海外旅行の履歴を一覧表示します。 旅行前のワクチン接種を含む、免疫の記録を持参してください。
- すべての薬のリストを作成します。 定期的に摂取するビタミンやサプリメントを含めてください。
- あなたの医者に尋ねるために質問を書き留めてください。 質問のリストを準備すると、医師との時間を最大限に活用するのに役立ちます。 時間がなくなった場合に備えて、最も重要なものから最も重要でないものまで質問をリストしてください。
ジカウイルス病の場合、医師に尋ねる基本的な質問は次のとおりです。
- 私の症状の最も可能性の高い原因は何ですか？
- どのような種類のテストが必要ですか？
- どのような治療法がありますか？
- 気分が良くなるまでどれくらいかかりますか？
- この病気の長期的な影響はありますか？
- 持ち帰りできる印刷物はありますか？ どのウェブサイトをお勧めしますか？
あなたの医者が尋ねるかもしれないこと
次のような医師からの質問に答える準備をしてください。
- 症状はいつ始まりましたか？
- あなたは妊娠していますか、それとも妊娠しようとしていますか？ コンドームを使用していますか？
- あなたの症状は継続的または時折ありますか？
- あなたの症状はどれくらい深刻ですか？
- 症状を改善または悪化させるものはありますか？
- 先月どこに旅行しましたか？
- 旅行中に蚊に刺されましたか？
- 最近、病気の人と連絡を取りましたか？
